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岐阜の伝統金型メーカー、日本初のIoTアウトドア製品をつくる

株式会社PUZZLCE
2022.05.26
株式会社PUZZLCE

アウトドアブランド「giant-salamander」を運営する岐阜県のものづくり企業。町工場の繋がりと伝統技術の応用であらゆる製品開発に対応しており、特定の技術や素材に縛られることなく、OEM事業と企画からデザイン・量産開発と一気通貫でのD2C事業の両方を展開。

想いひとつでゼロからIoTへチャレンジし、半年でPoCへ盗難防止ペグ開発プロジェクト

株式会社 PUZZLCE:代表 小池恭平
このプロジェクトの協力会員:商品プロデュースサポーターズの皆様、東洋エレクトロニクス株式会社

OUTLINE

金型技術を生かしたアウトドア製品メーカー、IoTへ初挑戦

IoTの知識ゼロ。IoT商品開発の経験もゼロ。あるのは、「盗難されないキャンプペグをIoTの力でつくりたい」という想いだけ。PUZZLCEのチャレンジは、そんなスタートでした。キャンプ用ペグの盗難被害が多発しており、キャンパーから寄せられる不安の声に応える形でプロジェクトが始動。企画書に記したアイデアと想いを実現すべく、コミュニティの専門家たちがサポートしました。キャンプシーンに耐えられるようにと、防水性や耐衝撃性を考慮したモジュールの開発そのものから取り組んでいます。

POINT!
モジュール?システム? わからないことは、専門家に頼り切る!

IoTに関する知識はまったくのゼロから。割り切って、コミュニティの知見を集めることに注力しました。重要だったのは、やりたいことを伝える工夫です。具体策の一例としては、ifLinkOC内の専門家を集めペグの体験会を実施しました。実際に使ってもらいながら、どんなシーンで、誰が使うものなのか、課題は何か、理解してもらう。ゴールイメージの共有を行うことで、具体的なアドバイスをもらうことでつながりました。

RESULT

知識ゼロ、半年でテストマーケティングへ

世界的な半導体不足の影響を受け全体のスケジュールは調整中であるものの、現在テストマーケティングの準備を進めており、2022年末には商品を発売予定です。発売されれば、日本初のアウトドア製品に関するIoT商品開発事例となります。今後は盗難防止ペグにとどまらず、IoTを活用したさらなるアウトドア用品の開発を進める予定。キャンプという敢えてアナログを体験するような世界の中でも、世界観を保ったままデジタルの力を使えるように。より安全でより楽しめるものづくりを目指していきます。

STORY

伝統技術×IoTが、長期で生き残るための事業戦略

実家は金型工場で、兄弟が技術者。この環境を活かそうと立ち上げたのが、PUZZLCEです。アウトドアブランド「giant-salammander」を始めとするD2C事業やOEM事業などを行っています。地元職人さんとのつながりを活かした製品を強みとする私たちですが、中長期的にビジネスを続けていくためには、ただ同じ製品をつくり続けるだけではいずれ壁にぶつかってしまうだろうと考えていました。必要なのは、伝統技術で現代のニーズに応えること。そこでチャレンジしたのが、IoTキャンプ製品の開発でした。

近年は、キャンプの流行とともにペグの盗難増加が課題となっており、ユーザーからも不安の声を頻繁に聞いていました。そこで考案したのが、IoTの力で盗難を防止できるペグ。人がテントから離れていても、たとえば衝撃を感知して音が鳴ったり、場所が移動されると通知するといったことがIoTでは可能ですよね。最適なやり方を探してみようと、試行錯誤を開始しました。日本国内でIoTを活用したキャンプ製品は、実はまだほぼありません。もし開発に成功すれば、唯一無二の特徴を持つ製品になれる。そんな期待も、私の背中を押してくれる一因だったかもしれないですね。

IoTを活用し、便利で安全なアウトドアを楽しめるように

プロジェクトは企画書を作成し、つくりたいものをコミュニティのみなさんに知ってもらうことがスタートでした。とくに「サポーターズ」と呼ばれる知見を積極的に提供してくれるメンバーとは、定例ミーティングを設定。ユースケースから始まり、徐々に仕様や機能についてブラッシュアップすることで、商品イメージの明確化に努めました。あるいは、サポーターズのみなさんはキャンプ未経験の方が多かったため、体験会を実施するなどの工夫も。実際にペグを使ってみてもらうことで、「こういう使い方ならこれくらい防水性のあるモジュールがいいね」「もっと耐衝撃性の高い仕様にする必要があるかも」とかなり具体的な議論を行う機会にすることができました。

つくりたいもの、やりたいことを積極的に伝える一方、製品化へ向けた具体的な手段については思い切って、コミュニティのみなさんを頼ることにしました。正直にいって、私はIoT知識ゼロでしたから、モジュールのこともシステムのこともわからない。みなさんへゴールイメージを共有し、どうすれば実現が可能かアドバイスをいただくことを大切にしました。今回は専用のモジュールをイチからつくることになり、東洋エレクトロニクスさんなどから力を貸してもらっています。

現在はPoCを実現し、テストマーケティングに向け準備中。2022年中のリリースを目指しています。しかし、ペグの発売そのものはゴールではありません。今回の知見を活かしながら、ペグと同時に使えるようなIoTのアウトドア用品を、今後もコミュニティ発で開発していきたいと考えています。イメージとしては、スマートホームのように便利で安全な空間を、アウトドアの場でも世界観を壊さずIoTで実現するような。新たなアイデアを基に多くの人と力を合わせて、ものづくりを楽しみたいです。

ifLinkオープンコミュニティの魅力
やりたい人のいるところで、ビジネスは生まれる。

コミュニティへ入会しても、受け身でいるだけならば、ここを楽しみきれないと思います。大事なのは、企画する力やアイデアを出す力、フットワークの軽さ、物事を前に進めようとする姿勢です。逆にいえば、知識や経験はゼロからでもOK。全員がそれぞれやりたいことを持ち、互いに協力し合えるようなコミュニティにしていけたらいいのかもしれません。

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